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槍ヶ岳第3章 森林限界

2018年7月 槍ヶ岳登山・諏訪探訪編

3-1 槍沢


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川辺の小休止から再出発すると道は徐々に険しくなっていきます。
そろそろ休みたいと思い始めるころに次なる休憩ポイントに到着


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9:32 槍沢ロッジ(標高1,820m)



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ふむふむ、この先はババ平、大曲、グリーンバンドと続いていくのね。

ここで横尾に続いて2回目の休憩をとる(途中の小休止は除く)。屋外のベンチに腰を下ろして2つ目のおにぎりとゼリーを食べます。食料はあとはゼリー等のおやつしかありませんが、飲み物はまだ1リットル以上残っています。今回はスタートからペットボトル2本で2リットル以上の飲み物(重い荷物を持てない私にとってMax近い重量)を準備していたため、渇きに対する対策だけは万全です。これでも足りなかったら道中沢の水を汲むつもりでいました。



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横尾からここまでの4kmの道のりで標高が200m上がりました。上高地から横尾まで延々歩いて100mちょっとしか高度を稼げなかったことを考えると明らかに勾配が増してきています。しかし目指す槍の穂先まではまだ1,360mの高度差が残っています。残り5.9kmでこの高度を稼ぐというのは…恐ろしい…

事前に調べたところではこの場所に望遠鏡が設置されていて槍を眺めることができるらしいのだが、そういったものは見当たらない。雲に覆われていて見ることができないから引っ込めているのかな。

ちなみにここまでの天候はほぼ曇りですが、たまに雲の切れ目から太陽が顔をのぞかせます。少しの時間だけでも真夏の日差しはとてつもなくきつく、暑さに弱い私にとってここまで太陽がおおむね雲に覆われていたのは体力的には幸いでした。雨もスタート時にちょっとぱらついただけでその後は全く降る気配なしなのもよかった。

・・・さて、十分休憩したので再出発しますか。

9:55 再出発


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ちょっと進んだところに「槍見」のペイントがありその真上には切り立った岩山がある。が、当然これは槍ヶ岳の姿ではない(カブト岩というらしい)。



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先を行く登山装備の人と、この時の自分の服装の対比。相変わらずのジーパンと変な長袖肌着。妖怪「山を舐めるなおじさん」(←現場には実在せずネット上にのみ生息しているらしい)に見つかったら格好の攻撃のエサだな。



3-2 ババ平~槍沢大曲り


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道はいよいよ険しさを増していく。ルートミスの危険があるところにはペイント表示があるので見逃さないようにしたい。



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10:22 ババ平キャンプ場(標高1,990m)

旧槍沢小屋跡。度重なる雪崩により、現在の位置に小屋を移したという。今も残る石積みが昔を偲ばせます。



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全く人影無し



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槍沢ロッジから0.9kmで高度170m上昇。目的地まであと5km。



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ババ平を過ぎると景色が開け、深いU字谷の谷底を登っていく状態になります。進行方向左手の崖の上から雪解け水が滝になって落ちてくる景観が圧巻。



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遥か見上げる頭上から落ちてくる滝。何枚も写真を撮ったがこの時感じた迫力はとても伝えきれない。



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赤岩沢、五郎沢、乗越沢と書かれた沢を通過。水があったり枯れ沢だったりと様々。



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10:50 槍沢大曲り(標高2,094m)

水俣乗越分岐。右手水俣乗越を経由すると東鎌尾根から槍ヶ岳へ向かうことができます。ルートの眺望は素晴らしいが痩せ尾根のため中級者以上向け。



3-3 猿の谷~天狗原分岐


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槍沢大曲から谷は左手にカーブ。谷壁には近年崩落したような箇所もちらほら。

ん?さっきからその崩落したところで何か動いているようなものが…



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あっ!お猿さんだ!

よくあんな急な斜面を動き回れるなあ。



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おっと、遠くばかり見ていたら川の真ん中の大岩の上にもサルが堂々と座っていたよ。



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こっちは3匹のサルがくっついて暖を取っていた。かわいい。

動物スキーな私としてはこちらに危害を加えない動物はすべてかわいいものです。
(こっち向いて「ムキー!」とか威嚇してきたら対抗して石投げつけるかもしれないけど。ウソ)



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「大岩」ペイントのある岩。前方には霧が迫ってきている。と言うより以前から前方山上には霧が立ち込めていたが、こちらが高度を上げてきたためその霧のラインに差し掛かりつつあるというのが正しい。



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振り返ると、大曲りの雄大な景色。見るからに氷河の流れによって作られた地形で、日本にもこういったところがあるのだと感動します。どことなく「風の谷のナウシカ」の風の谷も想起されます。そういえばだいぶ前から高い樹木は見かけなくなっています。



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12:02 天狗原分岐(標高2,348m)

槍ヶ岳方向と、天狗池・天狗原を経て南岳方向への分岐。

ここに来てがくんとペースが落ちました。お猿さんが登場したあたりから写真を撮ることを建前にして小休止を重ねていたこともありますが、純粋に歩行スピードが低下しています。疲れが蓄積していく後半になるにつれ傾斜が増していくこの登山道は猛烈にキツイ。



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道中の沢の清流で冷やした飲み物は、天狗原分岐時点で残り僅かになっていました。弾丸登山なら既にアウトですが、今回は山小屋泊のため重量を軽減するために意図的に早め早めに消費しています。が、このままだと山小屋に辿り着く前に飲み物が尽きてしまう。



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氷河由来地形が広がる



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「滝見岩」と書かれた岩から前方を眺めると、対岸の山肌から流れ落ちる滝を見ることができます。とても雄大。



3-4 霧の世界


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天狗原分岐から登ること30分以上、標高2,545m付近で現れる水場(「水」表記ペイントあり)。先行者たちもここでみな足を止め休息したり水を補給したりしています。私もそれに倣いここで水を補給。



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これで水が尽きる心配はなくなりました。よく普通の山での生水はそのまま飲んではいけないといわれますが、それはその川の上流に人家があったり野生動物の糞尿が混じっていたり、ひどい場合産廃が埋められたりしていたりするからですが、ここの水はそういった心配はない天然水です。しいてリスクを挙げるとすれば、この水は雪渓を源流としている0℃近くの冷水であるため、大量に飲むと体温を奪われる可能性はあります。



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雪渓が目につくようになってきました。さっきの水場の源流はここかな?



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グリーンバンドとよばれるモレーン(氷河が山肌などを削りながら運んだ岩屑が堆積した堤防状の地形)上のハイマツ帯に差し掛かった時にはすっかり周囲は霧の中。



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前方を拡大すると、グリーンバントの先の岩石地帯を進んでいく登山隊の姿が…



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ハアハア(足取りが重い…)



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あそこに見える案内表示まで辿り着いたら一休みだ…



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13:15 坊主岩屋下分岐(標高2,665m)

左に進むと殺生ヒュッテ、槍ヶ岳山荘から槍ヶ岳方向、右手に進むとヒュッテ大槍方向。今回宿泊予定の山小屋は、ここから右手に登った先にあるヒュッテ大槍です。山頂に最も近い槍ヶ岳山荘と迷いましたが、ネットで調べるとヒュッテ大槍は食事が豪華なことで有名とあり、その食事に釣られた部分は大いにあります。



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という事で右手に曲がるも、登る先の様子は全くつかめず。↑ペイントや○ペイントがあるおかげで正しい場所を進んでいることがわかるのが救い。



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坊主岩屋下分岐までは少ないながらも前後にまばらに登山者の姿があったのですが、皆まっすぐ山頂方面に向かって行っているようでこちらのルートを進むものはなし。左手ルートの様子もあっという間に霧に隠れてしまい、ここからは心細い単独山行。



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先の見えない不安の中、励ましてくれたのは岩肌に生きる高山植物たちの姿。高木が生育できず森林を形成できない森林限界の標高は地域によって差はあるが、ここ本州中部ではおよそ2,500mを越えたあたりであるという。



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もう森林限界線を越えて久しいが、このような過酷な環境でも場所によってはこれだけの高山植物が一面に生育しているところもあり、その生命力に驚くとともに元気をもらいます。



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お花方面は本当に疎いので何の花かわかりませんが、綺麗な花ですね。



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坊主岩屋下分岐からヒュッテ大槍までの登りは猛烈にキツく、分岐前までの登りのトータルと同じくらいのきつさを感じましたが、これは一概に誇張でもなく、地形図を見るとこの最後の部分の登りの等高線の密さがやばいことになっています。ただもう山小屋が近いことはわかっていたのでタイムなどは一切度外視し、高山植物に元気をもらいながら休み休みゆっくりと登っていきます。



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ついに稜線が見えてきました。気持ち霧も薄くなってきたように感じます。

山小屋まであと少し!


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Author: KD
由緒ある建造物、急峻な山城、遺構の残っていない平地城館、考証無視の模擬天守、すべて等しく探訪対象。一番好きな瞬間は超マイナーな城館で城址碑や標柱を見つけたとき。
© 2010 城館探訪記

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