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野辺地戦争戦死者の墓所

野辺地城から県道243号を西に進むと、途中次のような標識が現れます。


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戊辰戦争史跡→

野辺地城の項でも触れたとおり、この地は戊辰戦争において野辺地戦争が起こったところになります。現在は同じ青森県ですが、かつて西は津軽郡(津軽領)、東は糠部郡(南部領)に分かれており、ここ野辺地はその境界近くに位置しています。(下図参照)


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郡界図

津軽独立の経緯とその後の流れから、江戸時代において津軽・南部の両者は犬猿の仲でありました。そのことも影響してか、戊辰戦争では同じ東北諸藩でありながら津軽弘前藩と南部八戸・盛岡藩連合軍との局地戦である野辺地戦争が勃発します。

※ちなみに両者の不仲については八戸城の項でも少し触れましたが、実際は高齢者だけでなく若い人も結構対立意識を引きずっているみたいです。曰く「津軽人はすぐ裏切る」「南部人は暗い」とか。根が深いですよこれは。外部の立場から見ると、津軽はよく言って機敏、悪く言うと狡猾。南部はよく言えば実直、悪く言うと鈍重・・・というところなのかなあ。いやわからん。外部の人間が興味本位で首を突っ込むのもよくないですな。とりあえず青森山田と八戸光星の試合は熱くなりそうな気配が漂います。


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県指定史跡 野辺地戦争戦死者の墓所

京都の鳥羽・伏見において始まった戊辰戦争は、やがて全国を巻き込む内戦となった。東北地方の諸藩は、官軍に対抗して奥羽越列藩同盟を結成したが、各藩の思惑は一致せず、秋田藩・弘前藩などは官軍支持に立場を変えた。
明治元年(1868)9月22日夜半、弘前藩の軍勢約180人が突如南部領に侵攻した。本道を通った一隊は藩境の村、馬門に火を放ち野辺地村に迫った。ほかの一隊は山道を通り野辺地村の代官所を目指した。藩境の防備にあたっていた盛岡藩・八戸藩連合軍は、これに応戦し銃撃を加えた。夜明けまで続いた戦いの後、弘前藩の軍勢は40余人の死傷者を出し敗走した。
この頃、東北地方の戦乱もようやく終結しようとしていた。江戸幕府支持を続けた盛岡藩は、その後伊達領白石に転封された。
野辺地戦争の翌年、弘前藩は戦死者27人の名を刻んだ墓石4基をこの地に建てた。明治維新における本県の歴史を伝える貴重な史跡である。(説明板参照)


4基の墓石にはそれぞれ「弘前藩」の文字と戦死した複数の隊士の名前が刻まれています。


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野辺地戦争戦況図

明治元年(1868)9月22日夜半、小湊に集結していた津軽軍約180人は野辺地を夜襲しました。津軽軍の作戦は、隊を3隊に分け同時に野辺地を挟撃するというものでした。街道沿いに進んだ一隊は、馬門村に火を放ちさらに野辺地村に向けて進攻しましたが、笹舘から大橋付近まで軍を配置した南部軍と川をはさんで銃撃戦となりました。津軽軍はいったんは大橋を渡りますが八戸隊をはじめとする南部軍の反撃をうけ退却しました。一方、山道を通った一隊は、雨のため予定の時刻よりやや遅れて観音林付近に到着し野辺地代官所を砲撃しましたが、代官所付近の高台に配置された南部軍の銃撃をうけることとなりました。遊軍として本道隊と山道隊の間を進んだ一隊は、夜間の山中で道に迷い、ついに戦いに参加することはできませんでした。戦いは翌朝の明け方まで続きましたが、地形状有利な場所に位置した南部軍の反撃を受けた津軽軍は多くの死傷者を出し敗走しました。墓石は、この戦いの翌年に弘前藩によって建てられたもので、戦死した津軽軍の兵士のうち27人の名を刻んでいます。(説明板参照)


県指定史跡の説明で、戦った当事者がともに同じ県内に属しているというのも文章の書き方が難しいところですね。

ちなみにこの地から西に少し進んだところには「藩境塚」があります。概要は下記の通り。

馬門(南部側、野辺地町)と狩場沢(津軽側、平内町)は、いずれも奥州街道沿いで隣接する集落で、距離にしておよそ1kmほどのへだたりでしかない。しかしこの間に藩境があり、目印に藩境塚が設けられている。藩境塚は、旧藩境と方言の境界が一致している日本唯一の例であり、こんにちでもこの二つの集落は市町村が異なるので、小学生は必ず別の小学校に通うことになるため、方言の境界が守られるのである。(wiki参照)


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Author: KD
由緒ある建造物、急峻な山城、遺構の残っていない平地城館、考証無視の模擬天守、すべて等しく探訪対象。一番好きな瞬間は超マイナーな城館で城址碑や標柱を見つけたとき。
© 2010 城館探訪記

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