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上野三碑 山上碑及び古墳

2017年10月 上野三碑めぐり

金井沢碑の次に向かったのが山上碑。こちらも金井沢碑と同様訪れるのは2007年の冬以来になります。前回訪問時の様子は山名城の項参照。前回同様まずは専用駐車場を目指しますが、途中すれ違い不可の狭路を通り抜ける羽目に。確かに前回の記録にも「狭い丘陵の道のため不安になる」と書いていますが、こんなに狭かったっけかな。



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無事駐車場に到着し碑への登り口へ。入口部分はこちらもきれいに整備されています。

が、しかし。少し進むと・・・



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出た。この階段は昔のままだ。この部分に関してはこれ以上楽な道にすることはできませんね。この階段を数名の高齢者が手すりにつかまりながら難儀して降りてくる姿を先ほど駐車場から確認しています。



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あと少し!



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到着!立派な石碑がお出迎え。



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まずは特別史跡・山上古墳から



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山上古墳は、山上碑の東隣にある直径15mの円墳です。中心には南に開いた横穴式石室(奥行き7.4m)があり、地元産の凝灰岩の切石を組み、仕上げてあります。こうした切石積み石室は、飛鳥時代(7世紀)につくられたもので、碑に近接することから黒売刀自の墓所と推定されます。

ただし、本古墳は7世紀前半から中頃のもので、山上碑が建てられた時期(681年)よりも数十年古いと考えられます。このことから、もともとは黒売刀自の親の墓として造られ、後に黒売刀自が追葬されたのでしょう。
上野三碑HPより・以下引用同じ)


説明板の下には「古墳の中に虫が群生しています 気をつけてね」の注意書き。
うお、カマドウマの悪夢再び。



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入口からちょいと中に入って奥に鎮座する像を確認



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この古墳脇から続くハイキングコースを進むと山名城根小屋城へ向かうことができます。

続いて碑のほうへ。



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覆屋



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特別史跡 山上碑 本物

全く変わっていない!(あたりまえ)



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■読み方

辛巳歳集月[しんし(かのとみ)としじゅうがつ]三日に記す。佐野三家[さののみやけ]を定め賜える健守命[たけもりのみこと]の孫の黒売刀自[くろめとじ]、此れ新川臣[にっかわのおみ]の児の斯多々弥足尼[したたみのすくね]の孫の大児臣[おおごのおみ]に娶[とつ]ぎて生める児の長利僧[ちょうりのほうし]が、母の為に記し定むる文也。 放光寺[ほうこうじ]僧

■現代語訳

辛巳年(天武天皇十年=西暦六八一年)十月三日に記す
佐野屯倉をお定めになった健守命の子孫の黒売刀自。これが、新川臣の子の斯多々弥足尼の子孫である大児臣に嫁いで生まれた子である(わたくし)長利僧が母(黒売刀自)の為に記し定めた文である。放光寺の僧。

*用語
刀自(とじ)-女性の尊称 / 足尼(すくね)-男性の尊称




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山上碑は飛鳥時代の681年に建てられたもので、完全な形で残っているものとしては日本最古の石碑です。自然石をあまり加工しないで使っており、朝鮮半島の新羅[しらぎ]の石碑(6世紀)に類似しています。

碑文には、放光寺[ほうこうじ]の長利[ちょうり]という名の僧が母のために石碑を建てたことと、長利の母方、父方双方の系譜が記されています。長利の母である黒売刀自[くろめとじ]は、ヤマト政権の直轄地である佐野三家[さののみやけ](屯倉[みやけ])の管理者であった健守命[たけもりのみこと]の子孫で、父である大児臣[おおごのおみ]は、赤城山南麓の豪族とみられる新川臣[にっかわのおみ]の子孫です。

前橋市総社町にある山王廃寺[さんのうはいじ]から「放光寺」の文字を刻んだ瓦が出土しているため、長利が勤めた放光寺は山王廃寺であると推定されています。放光寺が東国有数の大寺院であったことや、仏教が当時の先進的な思想であったことから、長利はかなりの知識人であったと思われます。

こうしたことから、長利は母である黒売刀自を供養するとともに、上野国の有力豪族の子孫であり、大寺院の僧でもある自らの存在を後世に伝えるために碑を建てたと考えられます。

碑文は、すべて漢字で書かれていますが、日本語の語順で読むことができます。現在につながる日本独自の漢字の使用法が確認できる非常に貴重な史料です。

このように、山上碑からは、ユーラシア大陸から伝わった漢字文化と仏教信仰が日本の古代社会に根付いていく様子をうかがい知ることができます。


ヤマピーかわいい!



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ここからの帰り道、足腰に不安がある方は十分注意して降りましょう。


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・・・10年前、月明かりを頼りにこの階段を駆け下りたんだったな。我ながらようやったわ。



山上碑

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Author: KD
由緒ある建造物、急峻な山城、遺構の残っていない平地城館、考証無視の模擬天守、すべて等しく探訪対象。一番好きな瞬間は超マイナーな城館で城址碑や標柱を見つけたとき。
© 2010 城館探訪記

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