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刑部城 ~金襴の蛇~

前回の記事で書いた1か所寄っておきたかった場所というのがこの刑部城阿王山紫城とも呼ばれるこの城は、三方を都田川で囲まれた要害の地に築かれました。



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都田川の支流越しに眺めた刑部城。すぐ北側には都田川の本流が流れています。

永禄11年(1568)12月、この地の人々がここに城柵を築いて立てこもり、徳川家康の軍と戦い敗れました。現在、県道の北側に位置する城址には、今までも当時の犬走りや井戸が残っています。姫街道の位置は現在とは異なり、この城の東側を通って落合川の渡し場へ通じていました。(現地説明板参照)


登城口、というか城内の金山神社へ向かう道は城の南東側にあります。わずかに1台駐車できるスペースがありますが、先客の軽自動車が止まっていたので退路をふさがないようにものすごい苦労をして何とか停車。入口には直虎ゆかりの地でよく目にする例ののぼり旗が立っているのでここか城址であることは間違いありませんが、この旗がなぜかものすごい色あせていて、説明看板などもないので他のゆかりの地よりも整備が後回しになっている印象です。



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入口から神社までの平坦地には「館跡」の表示あり。宅地として造成されていそうな気配で、実際すぐ隣には人家があります。



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二郭 金山神社

城の築城年代ははっきりせず、今川氏親(義元の実父)によって築かれた今川方の城であったといいます。説明板にある永禄11年(1568)の戦いは、陣座峠から井伊谷城を攻略し、引馬城を目指した家康の遠州侵攻の過程で起こります。井伊谷三人衆の先導で国境の城を次々と攻略していた徳川軍は、菅沼新八郎定盈を先鋒として刑部城にも攻めかかり、50名ほどのわずかな手勢の城方はなすすべなく落城したといいます。



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はい、特に何の表示物もありませんが一目堀切です。神社側が二郭とすれば、もう一つの山が主郭側となるのでしょう。ちょっと登ってみますか。



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かなり荒れていますがうっすら人の通った形跡があり、その跡の通りに山に分け入ると途中「腰郭」「虎口」の表示を発見。しかし虎口の先の坂をよじ登るとその先は竹藪地獄。もしかしたらこの先に「主郭」の看板でもあったかもしれませんが、これ以上進むのは無駄に苦労するだけなのでここまでで撤収。このほか山中には「井戸」の看板もありました。



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最後に一つ伝承を。城の北側にあった「金襴の池」の説明板。

昔、この辺りには美しい金襴の蛇が住む大きな池がありました。
今から四百年余の昔、この近くに刑部城という小城があり、城主が数十の城兵を擁して守っていました。その頃、浜松城に移って来た徳川家康は、その勢力を伸ばそうと戦いを繰り広げ、ついに家康の配下が多くの兵を率いてこの城に攻め込んできました。その勢いはものすごく、ひとたまりもなく敗れてしまいました。
その時、刑部城主には一人の美しい姫がおりましたが、姫は敵兵にかかって恥をさらすのを嫌いこの池に入って金襴の蛇に姿をかえ、池に住んでいるというお話です。
また、この池には一つ目の小僧がいて時々日向ぼっこをしに姿を現したとか。これが世に言う河童だったのでしょうか。あるいは、姫の家来が姿を変え、姫に仕えていたのでしょうか。
しかし、今この金襴の池も埋め立てられ現在は残っていません。



刑部城
『井伊直虎GUIDE BOOK』No.49。達成状況【15/57】(part.1からの引継ぎ)




所在:静岡県浜松市北区細江町中川
評価:★☆

いかんせん小城であるので家康方の猛攻になすすべなく陥落するのもやむなし。伝説もあり興味深い城ですが、主郭部分は激藪なので評価もそれなり。後日ネット上でこの城を検索すると、多くのサイトでは川越しの外観のみか、せいぜい神社までの紹介で終わらせていました。そうか、あまり内部まで入るものじゃなかったんだな。

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Author: KD
由緒ある建造物、急峻な山城、遺構の残っていない平地城館、考証無視の模擬天守、すべて等しく探訪対象。一番好きな瞬間は超マイナーな城館で城址碑や標柱を見つけたとき。
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