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第2話 日本で海から一番遠い地点【到達困難極】

田口峠から臼田方面へ下っていく途中、雨川砂防ダムの手前で左手に入る道があります。ここが「日本で海から一番遠い地点」(以下「地点」)への入口となります。



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案内表示

田口峠側からだとこの表示が裏側になって見えないので注意。表示の場所で曲がり橋を渡るとすぐにゲートが現れます。1台くらいならこのゲート手前に停めることもできそうですが、右手100mほど進むと広大な空き地があるので、そちらに停めるほうが安心。



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空き地                      標高920m

ちょっとだけ余分に歩きますが、日蔭も確保できたしこの判断は正解でした。ゲート付近の標高は920m。ここから「地点」までは比高300m弱。

ちなみに陸上で最も海から遠い点のことを「到達不能極」(Pole of inaccessibility, PIA)と呼びますが、日本では物理的に到達できる場所のため、「到達困難極」とも呼ばれています。



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ゲート

先人たちの記録にも登場するゲート。「通行止」とありますが、一般車両が入れないだけであって徒歩の通行は自由です。



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ゲートから「地点」までは林道1,300m、山道1,002m(1,000mでいいだろw)の合わせて2.3㎞の道のり。



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クマ出没注意!

最近は特に出没多発してますからねえ。注意しろといわれても、常に単独行の私にできることは周囲の異変にいち早く気付くために警戒を怠らない事と、いつでも全速力で逃げることができるよう気構えをしておくことくらいですかね。背中を向けると追って来るらしいのでその辺は臨機応変にですが。私、結構危険な山の中に明け方とか夕暮れとかに単独で入ることが多いんですが、まだ一度もクマと鉢合わせになったことはありません。たぶんクマさんのほうが逃げてくれているんだと思います。

終盤1キロは沢筋をたどる道となるようです。スニーカー履き等の軽装備は遠慮するよう記されていますが、若い人や山歩きに慣れている人ならスニーカーでも大丈夫です。革靴やサンダルではさすがに厳しいですが。



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序盤の林道。先人たちの記録では序盤は比較的楽という記載が多いのですが、確かに歩くのに困難はないものの、この日は暑くて前半からかなり体力を奪われていきます。日陰が多いことが救い。



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沢と並走



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林道分岐。「地点」まであと1,800mの表示。ということは逆算してここまで林道を500m登ってきたことになります。この表示の場所で左折して「滝ヶ沢支線林道」に入ります。



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支線林道に入ってからも道のりは長く、斜面崩落しているところもあります。登っていくと左手に沢が現れますが、この先「地点」までこの沢をひたすら遡上することになります。



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林道終点。やや開けた場所で、もしかしたら駐車場として活用されていた時代もあったのかもしれません。一番奥に看板を発見。


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案内図                  「地点」まであと1㎞


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丸太橋

正直に言いますと、ここまでの1.3㎞の林道歩きで私はだいぶスタミナを消費しています。かなり早歩きしていることと暑さが原因でしょうが、事前の予想よりもだいぶきつかったです。しかし本番はここから。看板の先にある橋を渡り、本格的な沢沿いの道が始まります。



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・・・


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・・・

最初のうちは林道よりも沢沿いの山道のほうが変化もあって歩いていて楽しい、などと思っていたのですが、やや歩きにくいところも現れ始めて徐々に悠長な気持ちはなくなってきます。



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「地点」まで650m

このあたりからついに「沢沿いの道」ではなく「沢歩き」に変化します。経験者ならわかると思いますが、沢歩きというのは尾根筋を直登するよりも危険が待ち受けることが多く、山歩きの中では上級者向け。幸いここの沢はちょろちょろレベルの水量なので特段経験がなくともガシガシ登っていけますが、やはり部分的に注意を要する場所が出てきます。



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むむむ・・・


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・・・


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・・・これは・・・


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のわ~!!


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ふうふう・・・


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あぶね~


汗をかきながら必要以上にひとりアドベンチャーを楽しんだ後、最後の標識を発見。



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「地点」まで100m

いよいよラストスパート!



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最後の急登

昔設置されたらしい丸太組の階段が朽ちて用をなさなくなっています。



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開けた場所に出ました。ここから右手の斜面を登るとついに・・・



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「日本で海岸線から一番遠い地点」到着!

ゲートからここまでノンストップで41分。暑い!疲れた!!

この2.3㎞の道のり、成人男性が普通に歩けば1時間以上かかるようです。かなり時間短縮することに成功したものの、バテバテになるという代償と引き換えなので褒められたものではなし。



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北緯36度10分36秒
東経138度34分49秒
標高1,200m




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静岡県富士市田子の浦港まで 114.853km
新潟県上越市直江津まで 114.854km
神奈川県小田原市国府津まで 114.862km
新潟県糸魚川市梶屋敷まで 114.861km


カンマではなくピリオドとなっているので看板の「m」表記は誤り(標高はきちんと3桁区切りのカンマ表記)。ちなみに北海道で一番海から遠い地点は美瑛岳の東約7kmの地点で、海からの距離は108.2km。



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この「地点」、群馬との県境まであとほんのちょっとのところにあります。あとほんの100mほどずれていれば群馬側に「地点」があったのだな。



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佐久市「1級公共基準点」



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看板の裏にあるあやしいポスト内には到達者ノートが入っていました。「この場所でラーメン作って食べておいしかった」みたいな書き込みもありました。私も記念に書いておきましたよ。これから後に到着する人たちの目に留まるかな。

せっかくたどり着いた「地点」ですが、このほかに特に何かあるわけでもなく、眺望も望めないので、さっさと帰還することにします。この場に到達することができた、その事実だけで充分満足です。



最後に動画



山の斜面です



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帰路。こんな険しいところ通ったかなあという場所がちらほら。行きは無心で登って来たんだなあと自分のことながらびっくり。それと同時に、この険しさからもう2度と来ることはないだろうという気持ちも強くなります(笑)



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林道終点


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林道分岐


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ゲート帰還

下りは登りの3倍の速度で・・・と言いたいところですが、途中で足に来ました(笑)。つらい!辛すぎる!泣き笑い状態になりながらも足を止めずに、なんとか帰還に成功。30分近くかかってしまったし、かかった時間以上にきつかった。楽しかったけど、もう訪れないぞ!(笑)
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Author: KD
由緒ある建造物、急峻な山城、遺構の残っていない平地城館、考証無視の模擬天守、すべて等しく探訪対象。一番好きな瞬間は超マイナーな城館で城址碑や標柱を見つけたとき。
© 2010 城館探訪記

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