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新谷陣屋 ~藩政時代をしのぶ麟鳳閣~

龍王城を後にしR56を西進、大洲市入り。
初めての人や知らない人は「おおす」と読む人が多そうに感じますが、「おおず」が正解。
この大洲市の新谷町に、大洲藩から分知された新谷藩が置かれていました。



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新谷小学校

この場所が新谷藩の藩庁・新谷陣屋の跡地です。
陣屋跡を意識してか、校舎の外観も凝ったものになっています。



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平成23年に小学校の統合を機に校舎の改築工事が行われ、現在の立派な校舎になったようです。

近年は日本全国どこに行っても小学校の統合だの廃校だのばかりになりましたね。先人の登城記で○○小学校が目印とあるのでそこを目標にしようとすると、現地に行ったらすでに廃校になっていたというケースは非常に多いです。廃校ならまだしも、建物もすでに取り壊され平場だけになって目標物皆無というケースすら最近は続出しています。そのうち小学校の数は老人ホームの100分の1くらいになったりする社会になるのでしょう。

閑話休題。ここに松本零士氏の絵が掲載されています。松本氏は太平洋戦争末期、母親の実家のあるこの新谷に疎開し、小学校1年から2年間を過ごしました。この地で多感な少年時代を過ごしたことが、後の「銀河鉄道999」などの多数の作品に大きな影響を与えたといいます。



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メーテルがおる!



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陣屋の表示

新谷藩は、大洲藩の支藩である。藩庁として新谷(現・大洲市内)に新谷陣屋が置かれた。
元和9年(1623年)、大洲藩2代藩主・加藤泰興の弟・直泰が幕府より1万石分知の内諾を得て成立した。内紛の後、寛永16年(1639年)に藩内分知ということで決着し、寛永19年(1642年)に陣屋が新谷に完成した。藩内分知は本来は陪臣の扱いであるが、新谷藩は幕府より大名と認められた全国唯一の例である。
寛永9年(1632年)、中江藤樹は当藩に任地替えとなったが、母への孝養を理由に故郷の近江国へ脱藩した。
江戸時代後期になると、肱川の氾濫による水害や火災に見まわれ、藩財政は困窮を極め、一時は大洲藩が藩政を執行した。明治初頭での実高は9,693石と、表高の1万石を割り込んでいた。
明治4年(1871年)7月14日、廃藩置県により、旧新谷藩領を管下とする新谷県(草高1万石、現石4890石)が設置された。同年11月15日、第1次府県統合、いわゆる3府72県制の実施により新谷県は廃止され、新たな宇和島県に編入された(本庁・宇和島、支庁・大洲)。その後、神山県を経て愛媛県に編入された。
明治17年(1884年)、新谷加藤家は子爵となり、華族に列した。
なお、陣屋は麟鳳閣として現存し、愛媛県指定文化財となっている。陣屋については明治になり、敷地がいくつかに売却されたため、民家に金蔵が現存している。
(wiki参照)




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麟鳳閣(愛媛県指定文化財)

慶応4年(1868)の建築で、木造平屋建、入母屋造桟瓦葺。桁行総長15.5間、梁間総長5間の大規模な建物であり、藩政評議所や謁見所の役割を果たしていたといいます。新谷陣屋の唯一の遺構で、旧藩時代をしのぶ貴重な建物です。現在は小学校の郷土資料室として利用されているそうです。



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麟鳳閣は正門側から見て校舎の裏側にあります。
平日の午前、思いっきり授業中だったのでここまで来るのはなかなか気を使いました。



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新谷のムクエノキ(市指定天然記念物)

推定樹齢500年を超える巨木で、枝張り東西約17.3m、南北18.2m、幹周約6.6m。天然記念物に指定された昭和31年当時は樹高約17mであったが、落雷や台風被害によって現在は樹高約12mとなっています。痛みが激しく、主幹には大きな空洞が形成され、樹皮内側の少しを残すのみですが、今でも多くの枝葉を茂らせています。
この樹は陣屋の設置以前から自生していたと思われ、新谷藩発展の「生き証人」とも言うべき存在になっています。現在では新谷小学校の児童を暖かく見守っています。
(説明板・大洲市HP参照)




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所在:愛媛県大洲市新谷町
評価:★★

貴重な陣屋建築が残ります。麟鳳閣以外は遺構と呼べるものはありませんが、地形や校舎外観を含め陣屋跡の雰囲気は残っています。表示物が多いのも◎。訪問するときは不審者に間違われないように注意しましょう。
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Author: KD
由緒ある建造物、急峻な山城、遺構の残っていない平地城館、考証無視の模擬天守、すべて等しく探訪対象。一番好きな瞬間は超マイナーな城館で城址碑や標柱を見つけたとき。
© 2010 城館探訪記

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