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赤木城② ~山奥に眠る総石垣の城~

主郭は城の最高所にあり、方形に近い台形をしています。
内部に残っている礎石も大きく、他の郭より立派な建物があったと考えられています。

主郭からは周囲の風景を一望できます。



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山深い風景

このような山奥ではありますが、この周囲は古来より銅などの鉱山資源に恵まれ、中世には刀鍛冶が盛んに行われていました。森林も豊かで戦国期にはたびたび熊野の木材が切り出された記録が残っています。



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山深い風景

この地方は歴史的にも地勢的にも外部からの干渉を受けにくい場所であったため、外部の支配に対する反骨心はほかの地域よりも高いとされています。秀吉の紀州侵攻後の支配に対して大規模な一揆が再三起こったのも、この地域性が影響しているのかもしれません。そのため統治の手段として、この山深い地には不釣り合いな織豊系の石垣の城が築かれました。
土豪や農民の一揆を鎮圧して統治する拠点としての城なので、同時期の織豊系城郭と比べると規模は小さいものの、見栄えにも気を配って築かれた総石垣の城は、この地方の住民に威圧感を与えるには十分のものだったことでしょう。



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誰かの忘れ物のメガネ



動画





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主郭を降りて石垣沿いに北郭へ。主郭石垣の高さは4mほどでしょうか。北郭は東側に低い石垣が巡らされている程度で、他の郭と比べて簡素な作りです。尾根の先には堀切が設けられ北の守りとしています。



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北郭側に飛び出ている主郭石垣の折れ部分、いわゆる横矢掛かり



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主郭下北側から西側へ抜ける危険な道(主に虫的な意味で)

蜘蛛や虫の被害を避けれことができれば西郭の上に出ます。



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西郭

細長い尾根の上に築かれた西郭は4つの郭からなっています。写真は西郭1で、2棟の礎石建物と室(食物などを貯蔵する施設)か水溜と思われる石組み遺構が見つかっています。



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現地説明板にある「方形石積み遺構」



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西郭2から見た西郭1石垣(奥は主郭石垣)



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西郭2(右側は西郭1石垣)

西郭2・4にも礎石がいくつか見られることから建物があったと考えられています。西郭の石垣は他の郭と比べて傾斜が緩くなっており、麓からよく見える部分は大きな石垣が使われています。



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平成元年に国指定史跡となった赤木城は、平成5年作成の管理保存計画に基づき、平成16年度まで発掘調査と整備工事が行われています。各所で崩れていた石垣も積み直され、遊歩道も設置されて地元の人にも親しまれています。

とてもいい復元整備の仕方だと思います。



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西郭から対岸の東郭を見ると、あちらにも見学者がいるのが見えました。



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こちらは東郭側から見た西郭。
中世城郭的に見れば別段変わった縄張りではありませんが、随所に石垣が築かれているため、別の尾根に石垣が見えると珍しい印象を受けます。規模は全く違いますが、ちょっとだけ竹田城の感じにも似ています。

そうそう、竹田城で思い出しましたが、この赤木城も「天空の城」と呼ばれるような光景が見られるのだそうですよ。参考サイトはこちら



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帰路。城の東側、r40沿いに赤木城の遠望スポットがありました。



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赤木城遠望

なんか手前の木が邪魔ですね。ネット上にはきれいな遠望写真もありますので探してみてください。



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所在:三重県熊野市紀和町赤木
評価:★★★★

私的真百名城選定候補。国指定史跡にふさわしい歴史的価値を持つ城で、整備状況も良好です。
正直なことを言うと、期待を上回るものではなかったかな、というのが訪問した時の率直な印象ですが、それは事前にいろいろな良い評判を聞いていたこともあり、ハードルを高く上げすぎていたことによるもので、客観的に見れば十分私的真百名城に該当する城です。到達するまでの道のりが遠いこともプレミア感を上げている気がします。城好きなら一度は訪れておきたい城かもしれません。
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Author: KD
由緒ある建造物、急峻な山城、遺構の残っていない平地城館、考証無視の模擬天守、すべて等しく探訪対象。一番好きな瞬間は超マイナーな城館で城址碑や標柱を見つけたとき。
© 2010 城館探訪記

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