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比石館 ~館主厚谷重政、大鮫に化身す~

大滝の古戦場を発ったところで時刻はすでに15時を回っています。
今日はこれからまだ10ヵ所以上探訪したいところが残っているのですが。ともかくギリギリまで頑張りましょう。
返す返すも松前城の駐車場で余計な時間を消費したことが悔やまれます。

さて、引き続きR228を北上すると、石崎川を渡る手前に海に向かって突出する岬があります。
この岬上に築かれたのが、道南十二館の一つ・比石館です。



P5080485.jpg
石崎川に架かる石崎橋の南側に標柱があり、ここが登城口となります。ここから岬上までは登り道。
松前方面から訪れた場合、この登城口よりも手前に岬方向へ進める道があるので、そちらを選んだほうがスムーズです。



P5080455s.jpg
標柱のある場所からの道も、南側からの道も結局は同じ場所に出ます。そこから岬先端までは極細の道で、轍があったため車で突入しましたが、正直車での進入はおすすめしません。運転に自信のない人は絶対にやめておきましょう。岬先端への分岐路の手前に空きスペースがあるので、そこに停車して徒歩が無難です。

この道を進んでいくと、右手に説明板を発見します。



P5080459s.jpg

三方が水に面した断崖となっている岬の付根を切り下げて空壕をつくる、地形を巧みに利用した館(砦)。標高25m、先端から壕まで200m、最大幅30m。平時は館の下に居住していた。畠山重忠の一族ともいう厚谷将監重政が1440年頃渡道し築いたと伝えられる。1457年コシャマイン軍の攻撃で陥落、後復興された。この時館主重政は館下に身を投じ、川の主、大鮫となったともいう。厚谷氏は蛎崎(後松前)氏に仕え、寛永年中、貞政が一命を捨て藩主公広を救った功により久遠場所を領した。館内に軍神経津主神を祀る館神社があり、16世紀頃の中国製、国産の陶磁器、焼米がみつかっている。道南十二館中現存する五館の一。比石はアイヌ語ピツウシ、石の多い所の意。
(説明板参照)


北海道まで来て、畠山重忠の名前と出くわすとは。
この人の名前が出るといつも菅谷館のあの像を思い起こしてしまいます。



P5080460s.jpg
岬先端への道

途中一番細くなっているところが堀切跡でしょうか。そこの車での通過はかなり危険です。



P5080464.jpg
振り返って。印をつけたところが最狭ポイント。
但馬温泉城以来のスリルを感じました(参考ページ)。



P5080467.jpg
あまりにすごかったので、通過後徒歩で様子を確認しに戻ったほど。

西側(日本海側)の山肌がえぐれています。



P5080470.jpg
このえぐれた場所から、崖を下って海岸まで下りて行けるようです。
ロープがあれば何とかなるか(なければ大怪我必至)。



P5080471.jpg
この最狭区間は、路肩の補強が行われていました。
逆に言えば、こうでもしないととてももたないほど危険なところなのでしょう。



P5080469.jpg
逆側には石崎の港と石崎川の流れ



P5080474.jpg
無事に通過し、アクシオHV号の方向転換。この場所での旋回は慣れない車では危険ですが、ここまでの数日の旅で細かい操作もすっかり馴染んでいます。



P5080475.jpg
館本郭部分

近年までここには無人の灯台もあったということですが、撤去されていました。



P5080477.jpg
軍神「経津主神」を祀った「館神社」



P5080476.jpg P5080479.jpg
鳥居記念碑                            これも碑?



P5080481.jpg
神社裏の岬先端。
最先端部分に石祠を確認しましたが、その手前に妙な段差を感じ取り、奥までは進まず。
下草が意外と深いので、地表の様子が怪しいところには近づいてはいけません。



P5080484.jpg
帰路。運転席から見るとこんな幅ですよ。
雨の日などは車で進入してはいけません。雪の日などもってのほか。



P5080490.jpg
石崎橋から眺めた比石館

比石館陥落時に身を投じ、大鮫に化身してこの石崎川の主となったという館主厚谷右近将監重政。
こういう伝説好きです。



P5080494.jpg
石崎川を挟んで対岸から眺めた比石館

要害堅固極まりない地形です。



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所在:北海道檜山郡上ノ国町館野
評価:★★☆

岬の先端を占める要害。このようなタイプの城館は阿尾城勝浦城カムイチャシなど全国各地にありますが、比石館もその典型例に加えていいほどの見事な立地条件です。道南十二館といっても位置が不特定なものや湮滅しているものも多い中、要害性が際立つこの城館の存在は貴重といえます。車で進むともれなくスリルのおまけつき。
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KD

Author: KD
由緒ある建造物、急峻な山城、遺構の残っていない平地城館、考証無視の模擬天守、すべて等しく探訪対象。一番好きな瞬間は超マイナーな城館で城址碑や標柱を見つけたとき。
© 2010 城館探訪記

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