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カムイチャシ ~貴人が住ませし所~

少し寄り道をしてしまったが、当初の予定通りカムイチャシへ向かいます。
洞爺湖から洞爺国道~胆振国道で豊浦町へ入り、途中で海沿いの道へ。
地図にも「カムイチャシ史跡公園」の表示があるので迷うことはないでしょう。



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東側から眺めた茶津岬

内浦湾に面したこの岬の先端に築かれたのがカムイチャシです。



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岬の西側に無料の駐車場があります。
周辺はよく整備されていて、海岸で水遊びもできそうです。



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西側から見たカムイチャシ

穏やかな砂浜の中に突出したこの岬は、浜沿いを通行するのに大きな障害として立ちはだかります。



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同じく西側から

室蘭本線と県道、そして南側には旧道らしき3つのトンネルが掘られており、この岬の地形的要害性を感じ取ることができます。もしこの浜沿いの道がメインの街道であったら、この岬は街道を抑える要衝として重要な意味を持ったことでしょう。
現在胆振国道はこの海沿いを避けてかなり山沿いを走っています。



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国指定名勝ピリカノカ カムイチャシ

茶津岬突端に築かれたチャシは、「貴人が住ませし所」と言われたことから「カムイ・チャシ・コツ」と呼ばれていました。このチャシは原形のまま残されている道南唯一の史跡で、アイヌ語で「神の砦・館」を意味します。
道内にはカムイ○○チャシといった名称のチャシはいくつかありますが、純粋にカムイチャシという名を持つからには、ほかのチャシとは違う何か特別なものを感じます。

また、北海道には、アイヌのユーカラに謡われた物語伝承の舞台をはじめ、アイヌ語により命名された独特の地形から成る土地など、文化財として保護すべき 名勝地が数多く存在します。 これらの言語に彩られた、良好な自然の風致景観を持つ優秀な景勝地をアイヌ語で「美しい・形」を意味する「ピリカノカ」と総称し、国指定の名勝として保護されています。
国指定名勝ピリカノカには、襟裳岬オンネエンルㇺ・神威岬カムイエトゥ・十勝幌尻岳ポロシリなど、指定地・候補地合わせて現在21カ所あるということです。



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トンネル脇の階段を登り岬の上へGO。



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麓の説明板によると階段は135段あります。意外と勾配があるのでゆっく登ることを推奨。
私は頂上までノンストップの高速登りをしたため心拍数が急上昇しました。



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登り切ったところにある東屋。
5月上旬の北海道だというのに高速登りをしたために暑さを感じます。ここで少しクールダウン。



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岬と地続きの北側には一段高いところに祠が設置されているのが見えます。
ここに設置されている説明板は麓のものより古く、昭和63年に設置のもの。
丘先式のチャシで、礫石も発見されているという。



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この東屋は展望台も兼ねているようで、眺めは良好です。



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さて、この岬には先客の女性が一人いるのが東屋から見えたので、やり過ごそうとしばらく東屋で待機していたのですが、この女性、尾根の中央付近を行ったり来たりしてなかなか戻ってきそうにありません。
これ以上時間を消費できないので進みますか。待ってて損しましたよ。



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何をうろうろしてたのかなと思いましたが、どうやら山菜採りをしていたようです。



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チャシへの道

両側が切り立った馬の背状の一本道であり、神秘的なものすら感じます。
整備状況は良好。



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木橋出現。堀切です。

長さ16m、幅5m、深さ3mにわたって掘られており、この堀切によってチャシ主体部が区画されています。



動画にて


薮っているので画像だと堀切感が若干掴みにくし



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チャシ内部はすでに岬の先端近く。

柵からでないでくださいの表示を横目に、突端部分ぎりぎりまで進もうと試みますが。



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岬突端

これ以上は進めません。



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予想を上回る要害地形

柵の外には出ないようにしましょう。



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チャシ内部には遊歩道が設置されており、一周することができます。
尾根部分よりは広がった地形ですが、傾斜が残っており、居住性は高くありません。
砦として本格的に普請したというより、神聖な場所という側面の方が強かったのかもしれません。
そもそも3方に断崖に囲まれているため、壕を1条設置するだけでも砦としては十分機能しますが。



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反対側から見ても、やはり断崖



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浜辺の位置からも、現在地が海上に突出していることが実感できます。



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チャシ側からの光景



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東屋とその奥の祠の姿



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せっかくなので祠の側も見ておきましょうか。
お手製の階段はやや登りにくいですが、斜面直登に比べれば無問題。



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祠からの眺め

祠の由来等は記されていませんが、先人がこの場所に祠を設置したかった気持ちはわかる気がします。



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所在:北海道虻田郡豊浦町礼文華
評価:★★☆

砦としての構造は壕一条の極めて単純な造りですが、元から要害性が高すぎるため、これだけでも十分機能します。整備状況もよく、何より景観が素晴らしいところです。景勝地として見ても印象値は高く、さすがは純粋に「カムイ」の名を冠するチャシといったところです。訪れて損はありません。
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Author: KD
由緒ある建造物、急峻な山城、遺構の残っていない平地城館、考証無視の模擬天守、すべて等しく探訪対象。一番好きな瞬間は超マイナーな城館で城址碑や標柱を見つけたとき。
© 2010 城館探訪記

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