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長岩城⑥ ~伝説達成、そして・・・~

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前回ラストの岩峰直下

周囲は切り立った断崖、ここを乗り越えるより外に道はない。



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最大のハイライトがこちら。
岩峰手前の、これはなんと表現したらいいのだろう?これまで延々と下ってきた断崖細尾根を「死の回廊」とするなら、それを極限まで細めたこの部分はさながら「死の釣り橋」か。
鞍部状になっている地点までが下り勾配なのがほんとに嫌ですよこれ。
こんな最狭区間30cm(*体感)、両側断崖の細尾根を通過するには、両手両足を常に接地させ四つん這いで這っていくよりほかにありませんが、四つん這いの体勢で下り勾配だと前に進むのが非常に困難なのです。
「こんなのじりじり進むよりも一気に駆け抜ける方が楽なんだよ」なんてことを言っちゃう人!ここを直立姿勢のまま駆け抜けることができれば、私はその人を心から称賛しますよ。キングオブバカとして。



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「死の釣り橋」を突破し、岩峰によじ登る。
自然と両手両足を活用することができるので、よじ登る方が精神的には楽。
頂部には人一人が腰掛けることができる程度のわずかなスペース。
周囲は切り立った断崖なのでまったく落ち着けず。



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岩峰頂部からの光景



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「死の回廊」全景

矢印のあたりが石塁を渡り、ロープを降りる手前付近。
まずあの場所で降りるのは無理と思うが、頑張って降りると到着するのがB地点。
あそこが「もうこれ以上道はない」と一度は判断した地点。

石積櫓までの危険度を100とすると、矢印からB地点までの危険度は300、B地点から現在地までの危険度は500はあると感じられます(*あくまで体感)。ちなみに危険度100もあれば全国の山城の中でもトップクラスの危険があると思って差し支えありません。



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岩峰の裏側、降りたところにようやく弓形砲座を発見。

やった~ ついに幾多の巨匠たちが成し遂げられなかった伝説を達成したぞ~

説明板を読む。ふむふむ、見張りを兼ねた砲座で、地形に合わせて弓形状に造られている、とな。



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こんなような形をしてます。

遺構としては石積櫓の方が良好な形状を留めていますが、ここまでの道の困難さがこの弓形砲座の価値を高めています。



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銃眼?

実際の用途は不明。




動画


ガチャガチャ音しているのは、足元に散乱している石を踏んだ音。
砲座には触れていませんのでご安心を。



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しかしこの看板、まだ新しそうな感じだが、どうやってここまで持ってきたのだろうか。この看板を背負って先ほどの「死の回廊」を突破するのは、山歩きのプロ級の実力がないと無理だと思うのだが。

・・・む?下に伸びるトラロープ発見。ここから下に降りる道があるのだろうか。
「死の回廊」を再び戻るのにはものすごい抵抗があったが、さりとてこんなどこに降りるかわからない道を降りるわけにもいかない(そもそも麓まで続いているかも定かではない)。



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気力を奮い立たせ来た道を戻りますよ。

あとは一度通った道を余計なことは考えずただ戻るだけ。登り傾斜は険しければ険しいほど自然と4点ポジション(両手両足使い)になれるので、意外と行動はしやすい(危険なことに変わりないが)。



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そんなこんなで看板地点(B地点付近)まで帰還。
ここはまだ危険地帯ではあるが、とりあえず一息。

看板があるくらいだからここから弓形砲座が見られるかなあと思い探してみるも、直接は発見できず。



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矢印の岩峰の裏側あたりにあるはずだが。
それにしてもよくあんなところまで行ったな。アホとしか言いようがない。

・・・

ここから尾根入口の石塁までも気を抜かず戻り、ついに安全地帯に生還。
命の心配をせずに普通に歩けるって素晴らしい。

・・・

梯子を下り、陣屋まで一気に降下。下り勾配の細尾根は危険だが、下りの登山道は昔から得意。



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馬場方面をまだ見ていなかったので、行ってみることにします。

陣屋から馬場方面へ進むと現れる「洞窟」(表示あり)。
実際はそれほどのものでもない。



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途中にある砲座



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奥へ進むと「上のウド」への表示があるが、指している方向が非常に怪しいのでスルー。



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比較的なだらかな道を暫し進み、馬場に到着。
山上を平地に切りならし、馬の調教をしていたという。
実際に細長い平場になっています。



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緩やかな曲輪状の地形が続く。

「この先麓には降りられません」とでも表示があれば、ここで引き返したのだが・・・



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アンテナ。
ここだけたまたま視界が開けていたが、下界との高度差はまだかなり大きい。

右手斜面には先ほどから数条の竪堀。



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先に進めそうな地形が続いていたので、行けるところまで行ってやれと思ったが、完全なだった。
ぐんぐんと高度を下げるも、道はどんどんあやしくなり、ついには藪を通り越して山の斜面と同化してしまった。

もう引き返すには高度を下げ過ぎていたので(それでも引き返すほうが正解だったと思うが)、山の斜面の強行突破を敢行。この後、藪の海を掻き分ける写真が何枚も続くのだが、あまりに見苦しい写真ばかりで、せっかく弓形砲座まで辿り着いた記念すべき登城記の最後を台無しにしてしまうので全部カット。
一つ言えることは、このラストの斜面強行突破は、弓形砲座への道に匹敵するほどの苦難の道であった、ということ。ただしあまりにも地味で無意味な方向での苦難であるが。



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ようやく駐車場に帰還。最後は全身草まみれで散々な目にあってしまった。

立ち去り際、ここで地元の方に話しかけられたことは「弓形砲座について思うこと」で述べた通りです。



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所在:大分県中津市耶馬溪町大字川原口
評価:★★★★★

主要域を全部見ようとすると同程度の比高の山城と比べて3倍くらいは体力を消費しますが、見ごたえは十分すぎるほどあります。最後は締まりませんでしたが、弓形砲座まで到達できた達成感はやはり大きく残っています。ただし、麓からの道が整備されていると知っていたら、絶対あのような危険なルートは使いませんでした。あの死の回廊以上に危険な登城路は、今のところ他に存在を知りません。新たなルートが整備されたことにより今後伝説感は薄れていくかもしれませんが、結果この城の存在が多くの人に知られていくようになるのなら、それもまたよしです。ちなみに死の回廊を一目見たいという方は、安全ルートで弓形砲座へ行き、奥にある岩峰をちょっと登ってもらえば、そこから続くとんでもない光景を見ることができると思います。記念にぜひどうぞ。
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Author: KD
由緒ある建造物、急峻な山城、遺構の残っていない平地城館、考証無視の模擬天守、すべて等しく探訪対象。一番好きな瞬間は超マイナーな城館で城址碑や標柱を見つけたとき。
© 2010 城館探訪記

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