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都於郡城③ ~浮舟の城~

西ノ城を後にし、続いて三ノ丸へ。


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三ノ丸への登り口。



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細長い形状の曲輪・三ノ丸。
四等三角点も設置されています。

都於郡台地の西北端にあり、三方断崖をなし、山麓には三財川が流れる要害地形。
西ノ城と同様斥候(ものみ)の役割を果たしていたとあります。



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三ノ丸先端部分からの眺望は良く、展望図が設置されています。



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その展望図

三納城穂北城、特別史跡の西都原古墳群の表示などあり。



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平面図

縄張りの観点からは、台地先端部であるこの場所か西ノ城あたりが主郭であるべきところです。
一番広いところではなく、一番攻められにくいところを本丸とするのが中世城郭の基本的なセオリー。
南九州型の群郭式城郭は縄張りが独特であるため、このセオリーに縛られないところがあるのでしょうか。

余湖様のページでも同様の感想を持たれておられます。



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三ノ丸から見た二ノ丸。
曲輪内の土塁の形状もよく確認できます。
手前の切岸の大きさは圧巻。



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それぞれの曲輪は深い堀によって断絶され移動は不可能。

・・・もとい、通常は不可能。
時間切迫により久しぶりにあれやります。



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急斜面を直降!

山城めぐりを始めた初期のころは直登直降などあたりまえだったが、近年は意図的に攻城スタイルをお上品なものに切り替えてきたこともあり、久しぶりでちょっと緊張。

足腰に相応の負担を強いるが、この直降による時間短縮効果はおよそ3分を見込む。かなり大きい。
なお直登直降の経験の少ない普通の人はこんなことするよりも来た道を戻るほうが早いと思われます。



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続いて二ノ丸へ。時間もないのでサクサクいきます。

冬場ならなんでもないことでも、猛暑の中での上り下りはかなりこたえる。



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二ノ丸。主要な五つの曲輪の中でも最も古い時期に築城されたと考えられています。

現地説明板の表記がかなり怪しく、「二ノ丸の南側に高さ2mの土塁がほぼ原形をとどめてある」とされていますが、実際に土塁が残っているのは北側と東側です。

「本(原文ママ・たぶん本丸)が二ノ丸と比較して一段低い位置にあることから、二ノ丸が中心的な戦略拠点となっていたのではないかと推測されます」・・・本丸が居住区で、二ノ丸が戦時には中心になったってことでしょうか。普通逆だと思いますが。

この城の各曲輪の名称は、当時の絵図や資料に基づいてつけられているのでしょうか。
それとも後世の人が勝手に判断しているのでしょうか?



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二ノ丸の対岸には本丸が見えます。



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二ノ丸と本丸間の大規模な堀。
これは自然地形を生かしつつ堀としてさらに手を加えたものと思われます。
シラス台地の範囲に含まれているかは不明ですが、浸食地形を利用した南九州型城郭の特性を持つ城です。



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本丸西側虎口



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再び本丸内に帰ってきました。
その①では本丸北半分を移動しましたが、今回は同じ本丸でも南側です。
北側とは土塁で区切られており、南半分だけでも二ノ丸に匹敵する広さがあります。


遠くからの眺望が、海原に舟が浮いているように見えたことから、別名「浮舟城」と呼ばれた都於郡城
この景観のすばらしさは、次のような古歌にもうたわれています。

春は花 秋は紅葉に帆をあげて 霧や霞に 浮舟の城



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所在:宮崎県西都市都於郡町
評価:★★★★

私的真百名城選定候補。深い堀や切岸と、独特の縄張りを楽しめます。冬場でもないのに藪もなく見やすいところも高ポイント。近世城郭ならまだしも、中世城郭においては相当の整備をしないとここまで見やすい城にはなりません。全国でも有数の整備状況を誇る中世城郭ではないでしょうか。近くに資料館でもあればもう一ランク上の4.5評価に匹敵。
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Author: KD
由緒ある建造物、急峻な山城、遺構の残っていない平地城館、考証無視の模擬天守、すべて等しく探訪対象。一番好きな瞬間は超マイナーな城館で城址碑や標柱を見つけたとき。
© 2010 城館探訪記

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