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長岩城弓形砲座について思うこと

2014年9月28日、念願だった長岩城の弓形砲座へ到達することができました。
周辺住民以外でこの名を知っている人は、それだけで十分城めぐり上級者といえるでしょう。
そしてこの名を知っている人は同時に、そこまでの到達難易度というものも伝え聞いているのではないかと思います。


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ネット上で検索すると、この弓形砲座への道は危険を極めることがわかります。その到達難易度の高さは、数千城の登城経験をもつ城めぐり界の大御所たちも、この場所まではたどり着けていないということからもうかがい知ることができます。
(蛇足ですが、私は城めぐりにおいては大学教授等の専門家のコメントより、アマチュアながら数千城の登城記をネット上で公開している城めぐり界の先駆者の体験記のほうを参考にしています。これは決して専門家の先生を軽視しているわけではなく、専門家は学術的な面で高度な研究を行っていることと敬意を持っています。が、全国各地のフィールドワークという面では、アマチュアトップのほうがはるかに経験値が高いと考えています。)



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実際現地では、弓形砲座の手前にある石積櫓まで行くのもかなり大変ですが、弓形砲座までの危険度はその比ではありません。多くの城めぐり界の巨頭たちも到達を断念して引き返したというのも納得の危険度です。



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私が到達できたのも、近年本格登山を開始して危険なガレ場をいくつも経験していたからということもありますが、先人たちの登城時よりも整備の手が入っていたからという理由もあるでしょう。それでも「これ以上は進めない」と思った箇所が2か所もありました。



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また、登山経験があれば大丈夫かというと、そんなこともありません。いくら登山経験があっても、両側の切り立った細尾根で突風にあおられでもしたら簡単に滑落死してしまうでしょう。
むしろ中途半端に自信を持っている人間のほうが事故遭遇の可能性が高いかもしれません。



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弓形砲座に到達時、真新しい説明板が設置されており、少し拍子抜けしたのも事実。
このようなものが設置できているということは、それほど危険ではなかったということか?
いや、そんなことは断じてありません。立ち入り禁止ルートからは、こんなものを担いで設置するなど、複数名でザイルでも使わないととても無理でしょう。

この疑問は、日没の下山時に駐車場で会うことのできた地元の方(記帳ノートを持っていたので、係の人か?)の話で氷解しました。曰く、弓形砲座へは麓の県道から直接登っていく道が整備されたのだといいます。このルートを使えば、(主城域や石積櫓など城のほとんどの部分を見ることはできないにせよ)弓形砲座へは容易にたどり着くことができるのだという。説明板もその時に一緒に設置されたのでしょう。
そういえば確かに弓形砲座の説明板から下の方へずっとトラロープが張られていました。私はその道を使っていないのでどこに通じているかはわかりませんが、今後そのルートを使ってこの弓形砲座までたどり着く人が増えるのかもしれません。

ただ、私個人の思いとしては、弓形砲座というのは多くの先人たちの挑戦を退けてきた城めぐり界の最難関の場所であり続けてほしいというものがあります。麓から簡単に上ってきて「なんだ、こんなものなのか」という印象を持たれてしまうのは、変な言い方ではありますが、悔しさに近い感情を抱いてしまいます。

私は立ち入り禁止側からの進行を推奨しているわけでは決してありません。自己の力量と危険度の判断もつかないような人間は決して立ち入ってはいけません。自分一人滑落死してそれで済めばいいのですが、そんなことになれば地元の消防ほか広範囲に迷惑がかかります。自己責任云々の話ではありません。登山でも全く同じなのですが、近年は特に中高年に危険度の判断ミスが増えている傾向があります。危険と判断し撤退していった先人たちの潔さを、私はむしろ尊敬しています。


詳細登城記は後日掲載

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Author: KD
由緒ある建造物、急峻な山城、遺構の残っていない平地城館、考証無視の模擬天守、すべて等しく探訪対象。一番好きな瞬間は超マイナーな城館で城址碑や標柱を見つけたとき。
© 2010 城館探訪記

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