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下小屋城 ~極陰の縄張り~

伊香保町湯中子にある下小屋城
城郭大系に縄張図付きで掲載されていながら、ネット上での登城記がほぼ皆無だった城です。
(私の登城時、ネット上で公開されていた登城記は1件だけ)

例によって国土地理院の地形図。赤で囲った部分あたりが城域。


下小屋城

この地形図からして「極陰の縄」というものが想起できます。
大系の縄張図を見ても、これは攻めるのは無理だろうというほどの専守防衛の縄張りです。

伊香保町の北端、湯中子の沼尾川を越える渡河地点の南岸にある城で、元亀3年武田勢の侵攻に際し、伊香保地衆が築いたもので、二つ岳の噴出物の累層を20m以上深々とえぐった沼尾川とその一支流に挟まれている。全面崩壊しやすい断崖が巡り、西南端追手には幅10m以下の頸部に20mを隔てて二筋の堀切を連ねているが、堀切土橋の崩壊がひどく、路面に仮材を並べてわずかに通路を保つ。土居は郭の北縁だけに盛られている。そこから80m入ったところの更に一つの堀切は土橋を北端に寄せた通常の形式で、この土橋には廊下橋状に、北から土橋上を遮断するよう北側の土を高さ2mほど堀り残してある。堀切の長さは15m、底は平坦である。この堀切から東が城の主郭で、東西150m、幅60m、北から東を巡る下郭がある。
(城郭大系より)



PC140032.jpg
該当地に到着。探訪日は2010年12月。
r155沿いには巨大な伊香保温泉の観光案内看板があり、これが目印にもなります。



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南側、沼尾川の支流である西沢に架かる「ゆなかごばし」。
見下ろすと断崖。



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北側、渋川市と東吾妻町(旧伊香保町と旧東村)の境を流れる沼尾川に架かる「万代橋」。
こちらは南側をさらに上回る断崖。



PC140033.jpg
二つの川に挟まれたこの地点が城への入り口。
車を停めるスペースもあります。



PC140041.jpg
上記写真の矢印部分から進入すると、一気に両側が狭まります。
大系の図でもこの部分は極細の土橋で記載されており、伊香保へ続く街道と城との唯一の接点となっています。



PC140043.jpg
細い連結部分を抜けると多少幅が広がりますが、両側は深い断崖に挟まれたままです。



PC140042.jpg
北側、沼尾川の断崖。



PC140046.jpg
南側の断崖に面しては、このような土塁状の高まりが続いています。



PC140045.jpg
それにしても北側の断崖は凄い。絶壁と表現するにふさわしい。
全面崩壊しやすい榛名二ツ岳の噴出物とはこれのことで、斜面をよじ登って攻めるのは不可能。



PC140047.jpg
しばし進んで行くと、広間のような場所が広がります。
大系の図ではここに至るまでに数条の堀切が描かれていますが、明確なものはなかったように思えます。
若干地形が改竄されているのかもしれません。



PC140048.jpg
本郭の一つ手前の郭。



PC140051.jpg
急に植生が変わり、本郭です。
広い平坦地になっており、緊急時にはかなりの人数が収容できそうです。

奥に見えるのは・・・土塁ですね。



PC140055.jpg
見事な土塁です。高さは2mほどあるでしょうか。



PC140057.jpg
土塁があれば登るのは人として当然の行為。



PC140060.jpg
立派な土塁。
これほどのものがありながら知名度が皆無だったのが不思議なほど。



PC140062.jpg
似たような写真ですが、上の写真からはかなりの距離を進んだもの。



PC140056.jpg
土塁の外側は下郭となっています。
こちら側もそれなりの広さがあり、本郭からあふれた人員も収容できます。
その気になれば戦国期の伊香保地衆全員が避難できるほどかもしれません。



PC140063.jpg
土塁上から見た本郭内。



PC140065.jpg
帰路。
なんともいえない風景。



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所在:群馬県渋川市伊香保町湯中子
評価:★★ 

知名度皆無ながら、周囲と完全に隔絶した地形や立派な土塁は見ごたえあり。さすがに大系に縄張図付きで掲載されているだけのことはあります。表示物がないのが残念で、碑や説明板でもあれば50選級と比べても遜色なし。
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Author: KD
由緒ある建造物、急峻な山城、遺構の残っていない平地城館、考証無視の模擬天守、すべて等しく探訪対象。一番好きな瞬間は超マイナーな城館で城址碑や標柱を見つけたとき。
© 2010 城館探訪記

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