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羽生善治NHK杯-渡辺明竜王

決勝戦。羽生NHK杯・渡辺竜王・解説森内名人という超豪華布陣。

羽生NHK杯はこの棋戦ではほぼ丸四年間無敗という尋常ならざる記録を継続中。どんなに強い棋士でもトーナメント戦で一度もとりこぼすことなく勝ち続けることは困難を極める、というかまず無理なことのはずですが・・・
対する渡辺竜王も対羽生戦の対戦成績は19勝15敗と勝ち越しており、王座戦でも20連覇を阻止しタイトル奪取している。苦手意識はないはず。

既に放送から一週間経過していますが、決勝にふさわしい対戦でした。


第61回NHK杯決勝 


前年の準決勝と同じ展開のため指し手が速い。80手目まで同一局面。
81手目、先に手を変えたのは先手の羽生NHK杯。前回は▲3四桂から一方的に攻めきって快勝しているが、あえて同じ局面を受けて立っている渡辺竜王に何か対策があると感じたのでしょうか。
以降は先手の攻め、後手は受けながらカウンター狙いの展開が続く。解説の森内名人の予想手がことごとく的中。さすが永世名人、羽生先生とは読みの波長が合うのでしょうか。竜王は例によって端を絡めた玉頭攻めで反撃。しかし名人の見解では「先手がペースを握っている展開が続いている」。

111手目▲8六銀と桂を補充した局面。ここで△8六同歩と取らずに△6二飛とまわったのが名人をして「これは魅せますね」と言わしめた手。この飛車はこのままでは▲3四桂打から取られる駒だが、4二で取られると成桂の位置が後手玉に近すぎて先手勝ち。△6二飛に対し例えば▲6三歩のごとき手ではいよいよ△8六歩で、▲6二歩成が厳しくないのでこれは逆転。
ということで先手は馬を見捨てて▲9五銀とさらに根元の桂を払う。これがさすがに的確な判断で先手がリードを保つ。

最終盤、後手玉は必至のため先手玉が詰むや詰まざるやの局面。中合いの手筋から上部へ脱出するも王手は続き怖い局面。とはいえ羽生先生が駒を渡して必至をかけるくらいだから先手に詰みはないんだろう、と私は読みを放棄して(笑)観戦。渡辺竜王もがっくりとうなだれて終局間際の雰囲気。しかし・・・

140手目△7三角。合駒をするしかないが、こういう場合は安い駒で合駒するのが普通。なので歩合か、あるいは8筋に利かせるため香合か。金駒を使うと取られたあとそれを使われて王手が続くから金合はしにくい・・・と思ったら、指し手は▲8四金!後になってわかりましたが、なんとこの局面では金合以外はすべて先手玉が頓死してしまうのです!
渡辺竜王、死んだふりをして最後にこんな恐ろしい罠を用意していたとは・・・
しかし羽生先生、30秒の秒読みの中でもこの罠を回避。147手で渡辺竜王投了。

この瞬間、羽生NHK杯の10度目の優勝が決定。初の「名誉NHK杯」の称号を獲得しました。
永世名誉称号の中では最も獲得が難しいと考えられていたものです。

そして同時にNHK杯20連勝・4連覇という大記録も達成。この神がかった記録、どこまで続くのでしょうか。
この記録が途絶えた後、それを塗り替える記録が誕生することはおそらくないだろう・・・

それにしても間違いなくこの対局は名局でした。
渡辺竜王は感想戦で「全体的に終始指しにくい展開だった」と述べていましたが、最後までハラハラする勝負を見せたのはさすがでした。そして、優勝した羽生先生、おめでとうございました!


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Author: KD
由緒ある建造物、急峻な山城、遺構の残っていない平地城館、考証無視の模擬天守、すべて等しく探訪対象。一番好きな瞬間は超マイナーな城館で城址碑や標柱を見つけたとき。
© 2010 城館探訪記

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