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長谷堂城③ ~もう一つの関ヶ原~

9月29日、関ヶ原において石田三成率いる西軍が、徳川家康率いる東軍に大敗を喫したという情報が、直江兼続のもとにもたらされた。敗報を知った兼続は自害しようとしたものの前田利益(前田慶次郎)に諫められ撤退を決断したとされる。これにより攻守は逆転し、撤退する上杉軍を、最上と伊達連合軍が追撃した。この戦では、陣頭に立つ最上義光の兜に銃弾が当たるなど大激戦となり両軍多くの死傷者を出した。しかし前田利益や水原親憲などの善戦もあり、兼続は鉄砲隊で最上軍を防ぎながらその追撃を振り切り米沢城に帰還した。『最上義光記』には「直江は近習ばかりにて少も崩れず、向の岸まで足早やに引きけるが、取って返し。追い乱れたる味方の勢を右往左往にまくり立て、数多討ち取り、この勢に辟易してそれらを追い引き返しければ、直江も虎口を逃れ、敗軍集めて、心静かに帰陣しけり」とある。


この撤退戦は後世まで語り草になった。最上義光は兼続を「上方にて敗軍の由告げ来りけれども、直江少しも臆せず、心静かに陣払いの様子、(中略)誠に景虎武勇の強き事にて、残りたりと、斜ならず感じ給う」と評し、家康も兼続が駿府を訪れた時「あっぱれ汝は聞き及びしよりいや増しの武功の物」とおおいに賞賛したという。

また、最上勢は全戦線で反攻に転じ、庄内地方を上杉氏から奪還した。


この戦いは、「奥羽における東西合戦」と言える。最上軍は少ないながらも善戦したことにより、戦後家康はその功績を賞賛し、義光が切り取った庄内地方と由利郡の支配を公認し、出羽山形57万石を与えている。

伊達政宗も自力で旧領の回復を目指して南下、上杉領の白石城を落とし、さらに伊達・信夫に進攻した。しかし、南部領で一揆を扇動した事が露見し、家康の不信を招く。これによって、いわゆる「百万石のお墨付き」は反故にされ、自力で落とした白石城をそのまま追認されたに過ぎなかった。上杉景勝は庄内、会津などを没収され、米沢30万石のみを許された。


ねこへび


上杉軍退却の段になって、追撃戦にちゃっかり伊達軍も参加している点に注目。

兼続の撤退戦について義光は上記の通り称賛を惜しまなかったが、

政宗は「最上軍がヘボかったから直江を取り逃がした。

・・・さすが(?)政宗。




前回ラストの写真から、正面の鳥居をくぐるとこちらにも説明板があります。


KDの城館探訪記

主郭周辺の説明板は新しいものばかりで、おそらく大河放送に合わせて設置されたものでしょうが、この説明板はかなり年季が入っています。昭和56年建立とあります。




KDの城館探訪記
奥の郭にはお堂がありますね。




KDの城館探訪記
城の名前の由来となった観音堂(長谷堂)。

高位の妖怪でも封印してあるかのようなお札の張りっぷりです。




KDの城館探訪記

道を戻り、前回ラストの十字路を西側に降りてみます。

堀底道のような道を進むと、また分岐点。

比較的単純な作りの山城とはいえ、いくつかの登城口があり、それに合わせて登城路も張り巡らされています。




KDの城館探訪記

西側斜面の道を、北側へと進みます。




KDの城館探訪記
林を抜けると、戦国期当時の山城のように木が刈り払われ、視界が良好になります。

斜面には帯郭状の地形も確認できます。




KDの城館探訪記
幟も、単なるPRではなく城の景観にマッチしています。

西側からこの城を見れば、かなり威風堂々と見えるかもしれません。




KDの城館探訪記
そのまま斜面についた道を進むと・・・




KDの城館探訪記
その①でも紹介した、尾根の根元部分に合流します。

無事一周しました!



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登城日:2009年5月5日  所在:山形県山形市大字長谷堂

評価:★★★☆


地元の人の愛着が感じられるお城です。この城山は複雑な地形ではなく、綺麗な独立丘陵なので、ぜひ一周してみましょう。ほかの登り口から攻めてみるのもいいかもしれません。防御側に立場になりきって見学すると、より楽しめる物になると思います。
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KD

Author: KD
由緒ある建造物、急峻な山城、遺構の残っていない平地城館、考証無視の模擬天守、すべて等しく探訪対象。一番好きな瞬間は超マイナーな城館で城址碑や標柱を見つけたとき。
© 2010 城館探訪記

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