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忍城② ~水の城、いまだ落城せず~

博物館に入ります。

残念ながら有料です(当たり前だ)。



KDの城館探訪記
御三階櫓の屋根に戴く鯱の大きさは1.8mで、日本最大級の大きさです。博物館内に同じ物が展示されています。



KDの城館探訪記
二の丸に置かれ時鐘として用いられていた鐘の本物。




KDの城館探訪記

行田は昔から足袋の生産地として有名なためか、こんな展示も。著名な相撲取りの足袋をはいた実寸大の足です。 比較の自分の靴のサイズは27cmあるのですが。




KDの城館探訪記

外に出て、周りを歩いてみます。本丸を半分ほど囲む形の水掘。

「浮き城」と呼ばれるほど、当時は川・沼地・低湿地に囲まれていたのでしょうが、現在は完全に市街地と化しています。



KDの城館探訪記

天守相当の御三階櫓。よく模擬天守と紹介されたりもしますが、正確には復興天守ですね。1873年に作成された忍城鳥瞰図の描写にある御三階櫓の姿を基にしており、外観復興で全体的な形は当時のものと比較的似ていますが、建っていた場所は本丸ではなく三の丸外側にあり、縄張としては極めて珍しいものです。




KDの城館探訪記

御三階櫓が建設されたのは江戸期に入ってからで、忍城籠城戦時にこのようなものがあったわけではありません。




KDの城館探訪記

本丸内の塀の隙間から外をのぞく。「折れ」のある水堀が見て取れます。




KDの城館探訪記

御三階櫓から南東へ600mほどのところにある水城公園。このあたりもかつての城域であり、「水城」の名残を感じさせてくれる場所です。



さて、前回の忍城攻防戦の続きですが・・・


城攻めの総大将、石田三成は水攻めを行うことを決定します。石田堤と呼ばれる堤を築き城の周囲を水没させることに成功しますが、それでも城は落ちません。

「北条五代記」には、「この城は炎天下では水が干上がって困ることがあったのだが、水を溜めてもらったのでかえって助かり、城方はみな満足した」というような皮肉めいた記載があるほどで、浮き城としての本領を発揮するお手伝いをしてしまったようです。

おまけに堤防が決壊し、多くの味方の将兵が溺死してしまったといいます。

このような失敗を見て、三成軍にはさらに真田昌幸や浅野長政が援軍として増強されましたが(ほとんどイジメだ)、甲斐姫の活躍や城兵の奮闘もあり、ついに本城である小田原城が開城するまで城が落ちることはありませんでした。

これだけの圧倒的な兵力差があるのなら、余計な策は弄せずまともに力攻めをするのが一番手っ取り早く、かつ間違いがないものなのですが・・・三成さん、戦下手過ぎるだろう・・・


ただし、全国一千万の三成ファンの方のために追記すると、当時の書状の中で三成は忍城水攻めを批判しており、またこの時点では一介の奉行でしかなかった三成の身分からしても、独断でこれだけの規模の水攻めを行えるはずはないとする指摘もあります。また、包囲に加わった浅野長政にも秀吉から水攻めを続行するようにとの命令が届き、士気が下がる事この上なかった、と浅野家文書に記されており、三成の独断ではなく秀吉の強い意志が働いていたようです。


まともに戦うより、金の力にものを言わせて精神的に屈服させるのが趣味の秀吉なら、そのような指示を出すのもさもありなん。




KDの城館探訪記


映画版「のぼうの城」のキャストが一部発表になりました。↓


「のぼう様」・成田長親・・・野村萬斎

「漆黒の魔神」・正木丹波守利英・・・佐藤浩市

「剛強無双」・柴崎和泉守・・・山口智充

「若き軍略家」・酒巻靱負・・・成宮寛貴


楽しみな配役ですね。甲斐姫や三成は誰が演じるのですかね。




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登城日:2009年3月14日  所在:埼玉県行田市本丸

評価:★★★


諸大名に「猿の猿真似をしおって」といったように冷ややかな目で見られ、福島正則や加藤清正がいたら「治部少、太閤殿下の顔に泥を塗りおって!」と激怒されそうなところですが、上記の通りこの水攻めは三成の発案でなく秀吉の命令だった線が強いです。となると、総延長28kmにも及ぶ堤をわずか1週間で築きあげたその能力の高さはむしろ称賛されるべきことと思います。

しかしこの一件で三成は「戦下手」のレッテルを張られ、それが関ヶ原まで付きまとうことになるのです・・・
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Author: KD
由緒ある建造物、急峻な山城、遺構の残っていない平地城館、考証無視の模擬天守、すべて等しく探訪対象。一番好きな瞬間は超マイナーな城館で城址碑や標柱を見つけたとき。
© 2010 城館探訪記

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