浅貝寄居城 ~越後最後の夜~
- 2010/07/09
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関東管領を襲名した上杉謙信が、関東へ出陣する際の越後国における最後の城、それが浅貝寄居城です。
三国街道は越後から関東に出るためにはいくつもの峠を越える必要があると荒戸城の項で述べましたが、一番関東側にある三国峠が、越後側から見ると最後にして最大の難関なのであります。
この危険な峠を越える前に、充分休養して準備を整える地、この城はそういった宿営所としての役割を持って築かれたものであったようです。
謙信公もこの地で酒を飲んで夜を明かしたりしたのかな。
場所は苗場スキー場入り口付近で、現在ホテルやリゾートマンションが立ち並んでいます。その中の「ホテルムサシ」「ホテルアンビエント」の入口から中に入り、ダイアパレス駐車場の手前の一角が城域です。 ホテルやリゾートマンションにに囲まれた一角に、明らかに異質な空間発見。 反射的に中世城郭跡と見極めた自分も、客観的に見たらかなりヤバいレベルだ・・・。 奥に標柱が建っているのを発見!マイナーであればある程、碑や標柱を見つけた時の喜びは大きいのです。最後まで発見できなかった時の落胆も大きいのですが。 背後には土塁が残存しているのがうかがえるかと思います。 かなり草に埋もれていたので、一応下まで。 雪の季節にはこの標柱が完全に覆われるほど雪が積もるというのですから、さすがの豪雪地帯ですね。日本海側からの湿った空気はこの辺で大雪を降らせ、山脈を越えて南の群馬側では乾いた風となります。結果群馬は北部山間部を除き意外と降雪量は少ないのです。むしろ冬場は乾燥がひどい。 技巧的なものなど全くないのですが、城郭というより宿営所といった意味合いの方が強かったのでしょうから、これで充分なのでしょう。それより良くこの部分だけでも残しておいてくれたものです。誰かに感謝! ============================================ 登城日:2010年6月26日 所在:新潟県南魚沼郡湯沢町大字三国 評価:★☆ ============================================
勇んで内部へ。かなり草が伸びていますが、標柱のためならお構いなしです(おいおい・・・)。
土塁は意外と高いです。周囲のおよそ半分を取り囲んでおり、土塁のない部分は城塁のようになって下に落ち込んでいます。
久々にこのブログらしいお城の紹介です。辿りつくまでの不安と宝物さがしをしているかのようなワクワク感。マイナー城郭の探訪はやめられません。 でも評価は冷静に、基準通りに(笑)